敏感な子どもは、夜の寝つきが悪く、眠りが浅くなりやすい傾向にあります。
寝付くまでに1~2時間かかってしまう
一度寝てもささいな物音で起きる
親が添い寝から起きると一緒に目覚めてしまい、寝かしつけから離れられない……なんてこともしばしばではないでしょうか。
成長と共に少しずつ上手に眠れるようになるものですが、敏感な気質というものは変わりません。それに加えて成長と共に毎日の刺激は増えていきます。
赤ちゃんの寝かしつけや寝つきの悪さではなく、幼児~小学生までの「寝つきの悪さ」についてのお話です。
敏感な子は寝つきが悪くなりやすい
敏感な子は、寝つきは悪くなりやすいです。当然ですが、寝る直前までゲームや動画、テレビやDVDなどの画面を見ているような生活環境は改善していくほうがよいですね。
しかし、規則正しく生活していても、日中しっかり運動や活動をしていても寝つきが悪く、就寝中の眠りが浅いという子も少なくありません。
私の息子も、小学校5年生ですが未だに添い寝をする日の方が多いです。日によっては眠りに就くまでに1時間半ほどかかってしまうこともあります。
小学生にもなれば日中の活動量も増え、精神的ストレスも増えます。身体は疲れているのに、眠りにくい……という状況になるため、翌日の朝の体力の回復感ややる気といったものも低下する悪循環に陥りやすいと考えています。
眠りが浅い
敏感な子は赤ちゃんの頃から寝かしつけるのに時間がかかったり、夜中に何度も起きたり夜泣きをしたりする子が多いとされています。
それは体質的なものなので、敏感でない子に比べて眠るのが上手になる速度も遅めだと感じています。息子は赤ちゃんのときから睡眠が苦手で、夜泣きは3歳ごろまでありました。おねしょも長く続きました。
ちょっとした物音でも目を覚ましやすく、5年生になる今でも夜中に目が覚めてしばらく起きていたり、一晩になんども目が覚めるという日があります。私も寝ていますのですべて把握してはいませんが「今日は眠れた?」「今日は目が覚めた?」などと逐一睡眠の感想を聞くようにしています。
寝ぼけや夢遊病が出ることも
眠りが浅いことや自律神経の関係で、寝ぼけやすいです。
息子の場合、単純に寝ぼけたり寝言を言ったりするのではなく、脳が深く眠っている状態で実際に体が動いてしまうよう症状です。突然起き上がって寝室を出ていき「お母さん!どこ!」と言って探したり「〇〇(弟)がいない!」と言って、歩き回ったりするんですね。
不安な気持ちが表れている様子が多いですが、ただボーっとして歩いていて何も言わずに再び眠ることもあります。息子の場合は、刺激やストレスのたまったとき、ゲームをやりすぎた日などに多く出る傾向があるように思っています。
敏感で寝つきの悪い子は、肌へのスキンシップが大事
敏感な子の睡眠は、なんといっても安心感を与えてあげること、リラックスさせてあげることが一番だと感じています。息子は小学校5年生ですが、まだまだしっかりとスキンシップをとらなくてはいけないと感じることが多いです。
不安感の強い子、寝室の暗さやひとりで眠る寂しさの強い子は年齢に関係なく、子どもが望む限りべたべたしてあげるのが一番良いと思っています。
中でも寝つきの改善に一番効果的なのは、単純に抱きしめたり手を握ったりするスキンシップではなく「マッサージ」です。
肌に手をしっかり添わせるマッサージ
マッサージといっても、クリームなどを使って背中や腕、足、顔などに親の手のひらを密着させ、保湿する延長と、簡単に考えてみてください。
大人のように筋肉の凝りをゴリゴリする必要はなく、寝る前やお風呂上りにときどきクリームを全身に塗ってあげます。前思春期の子どもでも、手や足、背中などだけしっかり親の手で保湿してあげるととても喜びます。
皮膚は、第三の脳ともいわれます。皮膚へ触れることは、子どもの脳に直接安心や愛情を届けることになります。言葉で「大丈夫だよ」「ゆっくり眠ってね」と話すことももちろんいいのですが、直接皮膚に手をしっかり添わせて密着させることで、皮膚→脳へとダイレクトな良い刺激を与えることができるのです。
添い寝が長く続くケースも
親にとって子どもの寝かしつけは、正直めんどうなお世話のひとつだと感じられることもありますよね。一緒に眠ってしまって家事や仕事が後回しになってしまったり、やることがたくさんある中で子どもが眠るのをただ待つのはしんどい時間であったりもします。
しかし、敏感な子は添い寝をいつまでもほしがります。ひとりで眠れるようになっても、本当は親と一緒に布団に入りたい……と本心で思っていることも。私も息子が赤ちゃんの頃は、まさか小学校5年生になっても添い寝をしなければいけないなんて、思っていませんでしたからね。
でも、毎日ではなくてもいいので、子どもの様子や自分の余裕に合わせつつ「眠るまで見ているよ」という安心感を与えるのはとても重要です。中学生にもなれば、親と一緒に寝るなんて子どもの方から願い下げでしょうから、残り少ないスキンシップの機会を大事にするのもいいのかなと思っています。
寝る前の刺激には要注意
寝る前の視覚や脳の刺激はやはり注意しておくといいですね。年齢が上がれば上がるほど、刺激に触れる回数も時間も増えます。
息子の場合、怖いもの見たさでテレビ番組の「衝撃映像!」とか「未解決事件」を見たがったりすることがあるんですね。敏感なクセに好奇心は旺盛という性格なので、寝る前の刺激的なテレビや映像には注意しておくとよいと思います。
ただ「眠れなくなるからやめなさい」という声掛けでは子どもは納得しないので、寝る前にどんな情報を得ているのかさりげなくチェックしておくことが大事だと思うのです。もし、親から見て刺激が強そうだと思ったら添い寝をするとか、マッサージをする、楽しい話をして気分を落ち着けてから床につくなどといったささいな心がけを大事するといいのではないでしょうか。
寝つきの悪い子だけじゃなく、すべての子どもに密着度の高いスキンシップを
敏感な子だけでなく、すべての子どもにとってスキンシップや睡眠の質の向上は大切です。
特に肌をしっかりと密着させるスキンシップは、年齢と共に減っていきます。小学校になれば、もうほとんどのことは自分でできるようになります。体つきが大人に近づいてくると、親の方も「くっつきたい」「触れたい」という気持ちが薄くなってしまうこともあるんですよね。
あるいは、親に心の余裕があるときにスキンシップを取りたくなるけど、その瞬間には子どもは別のことに夢中になっていてまったく求めていない。でも、子どもが求めているときには親が忙しくてゆっくり構えない……というすれ違いが起こっていることもあります。
子どもって実は、親が思っている以上にスキンシップを求めているんだなぁと感じています。自分がハグして欲しいときにしてくれる。自分が不安なときにしっかり肌に触れてくれる。このようなスキンシップでの安心感を与えられる期間には限りがあるのです。
「早く手がかからなくなってほしいな」「早く楽になりたい」と思ってなんとなく過ごしているうちに、気がついたら気安く触れることができない年齢・関係性になってしまうのかもしれない。そう思うと、子どもとのスキンシップが親にとっても本当に貴重で尊いものであるように感じられるかもしれません。敏感さの有無に関わらず、よい睡眠や心身の成長のためにも、スキンシップの大切さを改めて考えていきたいなと私自身思っているのであります。