小学校生活に慣れてくると、しだいに増えてくるのが「忘れ物」。
1~2年生くらいまでは親も宿題や学校の準備などを見届けている方も多いですが、小学校3年生くらいになるとある程度は本人に任せている家庭が増えてきますよね。
すると、忘れ物や提出物、物の管理などが上手にできず、何度も忘れ物を繰り返す子も出てきます。
特に男の子の場合、忘れ物が増えたり物を亡くしたりしがちです。
「こんなにだらしがなくて大丈夫?」
「学校の成績や先生の評価にも響くのでは?」
そんな不安をお持ちの方も少なくないはず。
今回は、子供の忘れものをなくすための工夫と、親がやってあげられることを考えてみました。
もしかして、ADHDなどの発達障害なのでは?という疑問に対しても、一緒に考えてみましょう。
忘れ物が多い子供、AHDHの可能性は?
発達に関することは、専門家ではないのではっきりと断言することはできません。
しかし実際に子供がADHDであるなら、忘れ物が多いという問題以外にも気になる点がいくつもあるはずです。
【ADHDの4つの特徴】
不注意… 集中力が続かない
多動性… じっとしていられない
衝動性… 待つことや耐えることができない
ADHDの特徴のなかにはもちろん忘れ物が多いというものがあります。
上記の特徴で言うと、不注意・集中が持続しないという項目に当てはありますよね。
ただADHDは学校の持ち物の忘れ物意外に、先生にしつこく注意されたことも忘れてしまったり、友達との遊びの約束さえも忘れてしまうことがあります。
多くの小学生男子は学校の持ち物や宿題の提出などを忘れることが多くても、友達との約束や楽しみにしている予定などはしっかり覚えていることも多いでしょう。
また、授業中に立ち歩いてしまう、順番やスケジュールを守って行動できないなどの特徴がみられます。
単純に忘れ物が多いというだけで、発達障害と診断されることはまずないと言っていいでしょう。
逆に言えば、学校での忘れ物や持ち物の管理ができない上、協調性のない行動や落ち着きのなさも気になるようであればADHDを疑ってみるべきです。
小学生の子供の忘れ物が多い原因は何?
普通の小学生なら、中学年を境に急に忘れ物が目立つようになるのは決しておかしなことではありません。
小学校3年生くらいからは学校生活に慣れてきたことによる「中だるみ」の時期に差し掛かっているのではないでしょうか。
今まで当たり前のようにやってきたことも、「少しくらいサボってもいいか」と手を抜くようになります。
学校生活の中では、
「宿題を全くやってこない子」
「いつも遅刻してくる子」
「授業中フラフラ立ち歩いてしまう子」
など、問題のある子がはっきりとしてきます。
そういう中で、子供は「これくらい手を抜いたっていいだろう」という加減を覚えてくるようになります。
例えば、机やランドセルの整理整頓や、予定帳の時間割の書きかた、先生の話をどれだけちゃんと聞いているかなども関係がありますね。
手を抜く部分が出てくれば忘れ物が多くなったり物を亡くしたり、宿題の範囲が分からないなどたくさんの問題点が出てきます。
これは正直ある程度はしかたがないことですし、特別なことでもないと感じます。
小学生の忘れ物が多い原因①そもそも整理整頓が苦手
整理整頓能力は親の指導より、個人の性格によって決まることも多いです。
そのため、大雑把な性格や細かいことを気にしないタイプの子は整理整頓が苦手で、忘れ物も多くなりがちです。
ランドセルの中や学校の机の中、ロッカー、自宅の学習机の引き出しなどの様子を今一度確かめてみてください。
筆箱の中身も、鉛筆の本数が少ない、消しゴムがボロボロ、定規が割れている…なんてことも多いのでは。
当然ですが、持ち物がごちゃごちゃしているとどこに何があるのかを把握するのに時間がかかり、準備や支度がおっくうに感じてしまいます。
するとどんどんめんどくささが勝って、明日の支度を後回しにしたり、適当にしたりするようになります。
小学生の忘れ物が多い原因②子供はいつも他のことを考えている
宿題をやっているときも、翌日の学校の準備をしているときも、小学生の頭の中は遊びのことでいっぱいです。
テレビがついていればそっちに注意が向くし、兄弟が話しかけてくれば思考がストップしてしまいます。
たとえ宿題や明日の支度をしていえも、途中で教科書の気になるページを読み始めてしまったり、辞書や本などが気になって読みふけってしまう子もいます。
そうこうしているうちに、何をやるべきだったのかすっかり忘れてしまい、結果的に忘れ物につながることもあります。
特別異常なことではなく、これくらいの年代の子ならよくあることです。
集中がないと言えばそれまでですが、学校の準備をしている途中で他のことに注意が要ってしまうということは決して珍しいことではありません。
子供の忘れ物が多い原因③やるべきことや考えることが多い
また学年が上がれば上がるほど、活動の内容が増えてきます。
6時間授業が始まり、高学年になるとクラブ活動・委員会活動なども始まります。
塾や習い事に通っている子も多いでしょう。
学校から帰ってきたらまず友達と遊ぶ!という子もいます。
子供は朝早く学校に行き、夕方~夜まで忙しくしていることが多いので、大人が思っている以上にキャパオーバーとなっていることも。
こうなると、どうしても考えるべきことが増えるのでその分うっかり忘れることは多くなります。
一つ考えたら一つ忘れる、というのもよくあること。
学年が上がってきたから子供に管理をすべて任せていると、かなりずさんな支度をしていることも多いです。
忘れ物の多い子供、どうしたら治るの?
1. まずは、どこの家庭でもあることを認識しよう!
一見すると「だらしない」と思ってしまうかもしれませんし、私も息子に対して何度も腹を立てました。
きっとこんなに忘れっぽいのはうちの子だけだろう。
うちの子ほんとに大丈夫?
こんなんじゃ恥ずかしい!
そんな風に、自分の子供に対して「ダメな子」というレッテルを貼ってしまうことも。
でも、小学生でいつも整理整頓に気を配って、忘れ物やミスに注意して、持ち物もキレイで整ったものを揃えられる子が世の中にどのくらいいるでしょうか。
多分、きちっと完璧にできている子の方が少数派、ほとんどの小学生は親にガミガミ言われつつ、なんとか身の回りの物の管理をしているのが普通です。
私も小3の息子を育てていますが、忘れ物は多いときは3日連続で大きな忘れ物!なんてこともよくあります。
図工で使う材料を一生懸命メモして買いに行ったのに、その材料を袋ごと机の上に忘れて登校。(これは2~3回ありました。)
プールバッグや水泳カードを持っていくことに頭がいっぱいで、給食セットと水筒を忘れる。
汗でベットベトのはずの体育着を持って帰ってくるのを忘れる。
買って1回しかかぶっていない帽子をなくす。
特に男子は、こういう忘れ物が本当に多いです。
2.忘れ物が多いときは、親自身も忙しいとき
忘れ物の多いときって、親自身もバタバタしていて生活に余裕がないことが多いもの。
私も仕事が立て込んでいて1日中頭の中が仕事のことでいっぱいのとき、下の子の幼稚園行事や地域の役員の仕事が重なっているとき。
自分自身が生活に余裕がないと、やっぱり子供への監督が行き届かないものです。
そんな「できていない自分」にも腹が立ったりして、余計に忘れ物をする子供にイライラの矛先が向いてしまう。
そんな悪循環に陥ることも多いなと、痛感していますよ。
小学生のうちは、忘れ物や提出物、宿題などある程度は親の監督が必要です。
高学年になったら少しは放任してもいいでしょうが、4年生くらいまでは親の監督なしでは管理が難しい子のほうが多いです。
女の子でも、忘れ物やお便りの出し忘れなどが多いという声をよく聞きますよ。
まだまだ子供は、大人が思うように考え、動けないものです。
全てきっちり把握しきるのは難しいですし、やりすぎは過保護になってしまうので「ある程度」「ざっくりと」把握して声をかけることが大事ですね。
3.忘れ物に対する叱り方にも注意
忘れ物をしたときには子供だけのせいにして、頭ごなしにしかりつけないことも大事です。
あまりにもやるべきことをさぼって、だらだらしているときは私もガツンと怒ります。
でも、自分も子供のことをあまり見てあげれていないな、忙しくて自分自身に余裕がないなと思うときは、攻め立てません。
支度をそばでそっと見守ったり、時間割を一緒に確認したりすることもまだまだ必要なのではないでしょうか。
4、明日の準備の確認の時間を設ける
毎日たったの5分でも10分でもいいので、準備ができたかどうかの確認の時間をもってみましょう。
夜寝る前でも、朝学校に行く前でもどちらでも都合のいい方でかまいません。
また、毎日じゃなくてもいいでしょう。
持ち物の多い日や、最近忘れ物が気になるなと思った時だけでもいいと思います。
とにかく、子供任せにして失敗したら叱るというのが一番よくないのです。
小学生の忘れ物を親が届けるのはナンセンス
私はよっぽどのことがなければ、学校に忘れ物を届けることはしません。
例えば熱中症の危険があるような日に水筒を忘れたり、学校の先生から「届けてもらえますか?」と連絡がきたときだけは届けます。
(例えば、尿検査や書類など、出さないと学校側が困るものもありますので。)
しかし、どんなに心配でもそのほかの場合は何もしません。
親が仕事で届けられない家庭だってあるし、学校が家からとても遠い場合も不可能です。
子供が失敗することや、惨めな思いをすることを心配する気持ちはありますが、それを先回りして手助けするのは子供のためになりません。
まとめ
忘れ物が多いということだけで、子供の発達に異常があるというのは考えにくいということ。
発達に何か問題がある場合、持ち物の忘れ物以外にもっと重要な特徴があるはずなのです。
まじめな親御さんほど「こんなに忘れ物が多いのはきっとうちの子くらいだろう…。」と思ってしまいがちなんですが、意外とそうでもない。
私も「ちょっと最近の息子、忘れ物があり得ない!大丈夫?」と思って同級生のお母さんとお話したら、相手のお子さんはそれを上回る忘れっぷりだったりしたこともあります。
つまり大なり小なり「どこの家庭でも悩んでいること」なんですね。
もちろん、もっともっとしっかり整理整頓や物の管理方法を教えて、しっかり指導・監督しているご家庭も多いでしょう。
でも、できない家庭もいっぱいある!
みんな「あ~またやらかした!」と思いながら、毎日親子ともども反省しているんです。
私は、大人である自分も仕事や私生活でうっかりミスをすることがあるので、子供ならなおさら忘れ物や失敗があって当然と思うことにしていますよ。
お母さんやお父さんも本当に毎日忙しいので、子供の時間割や持ち物チェックは「余裕のある時に」「子供の気持ちがゆるんできたとき」を目安に考えれば十分ではないでしょうか。
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