私が9年間子育てしてきた中で、一番悩んだこと。
それは
「怒りたくないのに、怒ってしまう自分」
子育てしていると、なぜか怒りがフツフツとわいてきて収まらない。
ちっぽけでどうでもいいことでさえ、怒りに変わってしまう。
そういうことが多々あります。
言葉で言っても伝わらないから怒るの?
それとも、何度も同じことをされるから怒るの?
それとも、自分の思い通りにならないストレスから怒るの?
自分の感情なのになぜこんなにもコントロールが難しいのか、不思議ですよね。
もしかして、私は異常な母親なのかも?
こんな母親に育てられたこの子、将来どうなっちゃうの?
そこまで考えることもありました。
今回は子供を怒ることの原因や、子供への怒りをどう処理していけばよいのかを考えていきます。
向き合い方を知り、少しでも毎日を穏やかに過ごして子育てに自信をもってもらえたらいいな、と思っています。
子供を怒るその“怒り”は「第2の感情」です!
心の底から湧き上がるようなあの、怒りの感情。
心理学上では「第2感情」といわれています。
第2の感情ということは、その前にもう一つの感情があることが前提となります。
例えば、子供が牛乳をこぼしてしまって、お母さんの怒りが爆発するシーンがあったとします。
怒り、は第2感情です。
では第1の感情は何でしょうか?
ただ単に子供が牛乳をこぼしたという状況でも、色々なケースがあります。
例えば、一生懸命部屋を掃除したばかりだった。
とても忙しくて時間がないときだった。
子供の失敗に対して怒ってしまうときには、必ずその原因があります。
「せっかく部屋をきれいに掃除したのに、すぐに汚されてしまった」
これは第1感情に「悲しみ」がありますね。
「あと15分で保育園に送って仕事に出なければならないのに、テーブルや椅子、床が汚れてしまった。」
これは第1感情に「不安」や「動揺」などがあります。
つまり、子供を怒るということはあなたの「不安」「悲しみ」「動揺」などのつらい気持ちが表れているのです。
この第1感情と第2感情に分けて考え方は、トマス・ゴードンという心理学者が提唱しています。
心理学で認められていることであり、決してあなたが怒りっぽいとか異常だということはないのです。
誰でも、子供を育てていれば不安や動揺を感じます。
毎日時間に追われているので、ついつい焦るし、緊張もします。
そんな中で予想外の行動をする子供。
「それ今やる必要ある!?」という行動に出る子供。
そんな日常のビックリでさえも、母親は第2感情の怒りとして出してしまうのです。
子供を怒る回数を少しでも減らすには?
子供を怒ることは当然のことだとしても、やっぱりもう少し穏やかになりたい。
怒らない母親になりたいですよね。
それならば、先ほど言った第1感情で話をすればいいのです!
といっても、簡単なことではないかもしれませんね。
イラっとしたときにいきなりガツーンと怒ってしまう癖のある人は、治すのに時間がかかります。
それでも、イラっとしたときはまず「第1感情」に目を向けましょう。
例えば、せっかく作った料理をいやだと言って食べない子供を前にして、あなたは何を感じますか?
- 時間をかけて作ったのに
- おいしくなるように工夫したのに
- いつもいつも好き嫌いばかりしてうんざり
- 苦労して作ったのに食べてくれないなんて悲しい
色々な感情があるし、色々なケースがあるはずです。
しかし、あなたが感じる第1感情は、間違っていません。
人が感じることは、どんなことであっても間違いではありません。
それが「あなたの感想」だからです。
読書感想文に、正解や不正解はないですよね?
もちろん優等生的な意見や世間一般論はありますが、正しいとか間違っているとは判断されないはずです。
それと同じで、人が感じる感情に正解や不正解はありません。
それを、正直に子供に話せばよいのです。
「今日はとっても忙しかったけど、〇〇ちゃんのために一生懸命作ったんだよ!それなのに、食べてくれないなんて悲しい!」
ストレートに子供を批判してもいいと思います。
母親はいつも正論で諭すように話さなければいけない、というわけではありません。
母親であっても、人間ですからちゃんと思ったことを伝えるほうが子供のためになるはずです。
いきなり怒ってドカンと怒鳴り散らすよりよっぽど良心的です。
子供を怒るのではなく「母親が困ってる」「悲しんでいる」姿を見せる
子供って、いきなり
「何やってんのよ!」
「いい加減にしなさよ!」
って言われても、なんで怒られているのかほぼ分かっていないものです。
だから、繰り返して同じことをするのです。
「なんか、ママ怒ってんなぁ…。」
くらいで終わっていることが、ほとんどです。
泣いていたとしても、それはびっくりしたことや恐怖心から泣いているだけ。
反省して泣いているわけではないことがほとんどです。
だから、母親が困っている様子や悲しんでいる様子をしっかり見せて、伝える方がとても有効です。
ただし、ただ泣いて見せたりしてもダメ。
「今日は〇〇で△△だったから、××だと悲しいんだよ。」
というように、1から10まで説明しなければ伝わりません。
大人は経験値が豊富なので、10あるところ3くらいまで言われれば、全体の内容や相手の言いたいことを把握できます。
しかし、小さな子供は10あったら10説明しないと分かりません。
これは経験値がまだまだ少ないからです。
第1感情については、色々な方法、色々な言葉でしっかり説明しましょう。
そうすることで、母親自身も「私はなぜこんなにも怒りを感じるのか?」という心の整理をつけることができます。
考えているうちに怒りは収まり、冷静に話が出来ることも多いです。
子供を怒りたくなったら“6秒”数える!
怒りの感情は、6秒がピークだと言われています。
怒りそうになったらまず、「第1感情はなんだ!?」と考えることで時間を稼ぎましょう。
そうすると、6秒間はすぐに経過していきます。
6秒我慢できれば、子供を怒るという感情も徐々に消えていくので、冷静に「お母さんが悲しい理由はね…」と話を切り出す方向に向かえます。
もちろん、人間ですから毎回このように冷静に感情の分析をできるとは限りません。
たまには大爆発して、「いいかげんにしなさーい!」って言うのも必要なことかもしれない。
怒られる経験は、子供にとって悪とは限りません。
でもやっぱり、母親自身が自分を責めたり、後悔したりというネガティブな方向に思考が傾くんです。
そうすると、全体的にモチベーションが下がって「子育つらい」「子育て楽しくない」という考えになってしまいがち。
そうではなくて、怒りをコントロールできた体験をどんどん積み重ねていくことが大事です。
最初から100%実践できる人なんていませんし、私自身たまにはドカンと怒ることもあります。
でもやっぱり、自分の感情についてや感情の表し方を振り返ったり、改善しようとする姿勢は大事。
さいごに
この感情のとらえ方や、怒りたくなった時の対処法は子育て以外の面でも活用できます!
夫婦げんかが勃発しそうなとき、両親や義理家族との関係、仕事でのトラブル回避など…。
怒りの感情は人々が生きていく中で、絶対に野放しにできないものですよね。
「怒る」ことを恐れず、コントロールして転がしてやる!くらいの気持ちで向き合っていけると、子育てもきっともっと楽になっていくはずですよ。
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