上の子にイライラしてしまうのは、2人以上の子供を育てている親の永遠の悩みかもしれません。
下の子が産まれるまでは、世界で一番かわいくて大切だったお兄ちゃ・お姉ちゃん。
なんで、こんなにもイライラし、心からかわいいと思えなくなってしまったのか。
よくある悩みではありますが、母親としては深い自己嫌悪感に苛まされるのではないでしょうか。
何も、好きで上の子にイライラしているんじゃない。
本当は、どちらも同じように愛してあげたいし、負担の多い上の子をしっかりケアしてやりたい。
でもなぜだか、どーーーーしてもうまくできない!
今回は、そんな上の子にイライラする自分を変えたい、というお母さんに向けてお話をしていきたいと思います。
上の子にイライラする原因は何だろう?
上の子に対して、無条件にかわいいと思えなくなっている原因は一つではありません。
その根本原因を一つずつ探っていきましょう。
1. 単純に下の子が可愛いから
下の子が0歳~3歳くらいまでは本当にかわいい盛りです。
外見の幼さ、話し方、甘え方、泣き方、全てに「無抵抗」な感じがします。
それに対して上の子は、ベビーではなく既にキッズです(もしくはジュニア)。
体も服も靴も大きくて、赤ちゃんと並ぶととにかく大きく見えます。
これはもう仕方がない問題。
物理的に赤ちゃんよりは可愛くなくて当然です。
2. 口が達者なぶん、衝突が増える
上の子はまだ赤ちゃんの下の子に比べて、お話も上手だし知恵もついていますよね。
その分お母さんに対して反発したり、忙しいときにしつこく話しかけてきたりもします。
口が達者な分お母さんとの衝突も増えるし、お母さんも全力で対応しなければなりません。
赤ちゃんは、とりあえず抱っこしてなでなでしていれば良いのに対して、
上の子には真摯に向き合わないといけません。
・上の子の話を聞いてちゃんと答えてあげなければいけない
・〇〇して欲しいなどの要求もある
・忙しいときや考え事をしているときも終始話しかけてくる
・親の言いつけに対して口答えする
上の子は成長が早い分、大人もしっかり付き合わなければいけないので疲れるんですね。
しかも、お母さんは下の子の面倒を見ながらそれをこなさなければいけない。
やることが2倍になっているうえ、まだあまりしゃべらず主張も少ない赤ちゃんと比べてしまううちに上の子が厄介な存在に感じられてしまうこともあるのでは。
3. 上の子は一番怒りを向けやすい立場にある
例えば、本当は夫に対してイライラしているのに、上の子に八つ当たりしてしまうことってありませんか?
もしくは、自分のやるべきことができていないストレスを、上の子にぶつけてしまうことってありませんか?
私は、あります……。
とてもいけないことだし、長男には申し訳ないともいながらも、たまにやってしまいます。
兄弟の上の子は、家庭の中で一番怒りを受け止めやすい場所になってしまうのです。
本当の怒りの根源は別のことなのに、いちばん怒りを向けやすい場所が上の子になっていることも多いのではないでしょうか。
(3人以上の兄弟の場合、真ん中の子供になるかもしれません。)
夫より弱い立場で、下の子よりしっかりしている存在。
母親にとってちょうどよく、頼りたくなってしまう場所なのです。
上の子にイライラしたときの対処法
イライラが襲ってきたら、そのままいつも通りにすると上の子に対して同じような対応をしてしまいます。
一度呼吸を置いたり、距離を置いたりすることで、母親として冷静になってみましょう。
1. 無理して一緒にいない
とにかく女性がイライラし始めると、止まらなくなってしまうことや、言いすぎてしまうことがあります。
これ以上上の子にイライラしないためには、別室で過ごすことも必要です。
もし夫や両親など、他の大人の手を借りることができるなら一緒に過ごしてもらいましょう。
他に頼れる大人がいない場合は、上の子と別の部屋で過ごしても良いと思います。
イライラして八つ当たりしたり攻撃的な叱り方をしてしまうよりは、一人にさせておく方が子供の精神衛生上はよっぽど良いです。
「お母さん疲れてるから、少し一人にさせてね。」
「ちょっと休憩しているから、何かあったら声かけてね。」
と言って、DVDを見させておいてもよいのです。
イライラしてどうしようもないのに、無理に一緒にいる必要はありません。
子供を傷つけてしまうよりは、数時間でも別々に過ごして冷静になった方がずっとマシです。
2. イライラ理由を考える
本当に、今の自分は上の子に対して怒りを感じているのか?
上の子がそんなに悪いことをしただろうか?
ということは、常に自問自答してみるとよいです。
自分のイライラが、疲れや体調不良、夫への不満や心配事などからきている可能性もあります。
それが、一番近くで一番怒りを向けやすい立場である「上の子」がターゲットになってしまっているだけなのかもしれません。
イライラがつのってきたら、
「今自分は、何がいちばん嫌なのか」
を考えて、クールダウンしてみると落ち着くことがあります。
3. 「これだけはやろう」ということを決める
どうしても上の子にイライラして優しくできない、すぐに怒ってしまう。
そんなときは、ひとつだけ
「これだけは母親としてやろう!」
ということを決めてみましょう。
私の場合は
「上の子の好きな料理を作る」
ことでした。
長男とどんなにケンカしても、どんなに憎たらしいと思っても、ご飯だけは上の子の好きなものを作るようにしていました。
夫のリクエストは二の次です。
全て完璧な母ではないけど、長男のことをお思う気持ちがあるということを、自分自身に認識させることにも繋がりました。
料理じゃなくても、何でもいいと思います。
- 絵本だけは1日1冊読んであげよう
- おやつの時間だけは笑顔で話をしよう
- 寝かしつけのときだけは、怒らず優しくしよう
こんな風に、「ここだけは頑張ろう」というポイントを決めて、継続してみましょう。
そうすることで、自分自身の自己嫌悪感も軽減することができますし、その愛情は子供にもきっと伝わります。
時間が経てば解決するもの
どんなに上の子にイライラしても、かわいいと思えなくても、そのうち時が経てば落ち着きます。
上の子は、自分にとって初めての子供であり、思い入れも強いはず。
思い出だって、他の兄弟の誰よりもたくさんあります。
きっと時が経てばその情が勝って、また自然に接することができるようになります。
特に下の子が赤ちゃんのうちは、どうしても比較してしまうので上の子のかわいさは半減します。
今度は子供に対する「かわいさ」の種類も変わってきて、子育ての面白さに変化していきます。
そうなってくるまで、今は試行錯誤しながら辛抱するということも大事です。
スキンシップは、上の子が寝ているときでもOK
以前、当時の幼稚園顧問のおじいちゃん先生に
「お子さんが寝た後に抱きしめたり、頭をなでで声をかけたりする行動は、愛情を伝える効果がありますよ。」
と言っていたことを思い出しました。
上の子にイライラしてばかりで、スキンシップもできない。
可愛いと思えず、目を見て話せない。
私自身、上の子に対してこんな感情を抱いたことがあります。
でも、やっぱり普通に愛したい、かわいがりたいという気持ちが私の中にありました。
だから長男が寝た後、自分に余裕があるときに抱きしめてスキンシップをとっていました。
長男が起きているときはどうしても可愛がれなかったのですが、寝た後に申し訳ない気持ちを込めてしっかりと抱きしめ、頭をなでるようにしていました。
下の子の成長後、上の子もかわいく思えるようになった!
私の場合、下の子が3歳になってガンガンおしゃべりをするようになり、反抗期を迎えたあたりで長男のこともちゃんと可愛がれるようになっていきました。
上の子に下の子が追い付いてくると、比較したときの差が縮まってきます。
すると、どちらも同じようにかわいいと感じられるようになるのです。
上の子にイライラすることはまだまだありますが、それでも一時よりはずいぶん関係が良くなったし、家族の雰囲気も良くなったように思っています。
さいごに
上の子にイライラしてしまうことで何がいちばんしんどいかと言ったら、
「そんな母親である自分自身が嫌だ」
という、自己嫌悪感ではないでしょうか。
本当はもっと優しくていいお母さんになりたいのに、どうしてもできない。
下の子を産む前は、上の子をずっと変わらず可愛がり、抱きしめようと思っていたのに。
なんでこんなに難しいことになってしまったんだろう?
そういった自分への不信感が、いちばんつらいのではないでしょうか。
大丈夫です、いつかちゃんと落ち着いて兄弟を平等に見られるようになりますよ。
今だけのことと辛抱して、一緒にがんばりましょうね。
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