小学校高学年のHSC、原因不明の体調不良から回復までの話

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HSC

HSCの息子は、小学校4年生の中盤頃から原因不明の体調不良がときどきありました。

夏ごろからときどき「お腹が痛い」「頭が痛い」「足が痛い」「気持ちが悪い」などいろいろな体調不良を訴えるようになりました。

その、ときどきやってくる体調不良は半年ほど続き、3学期に入る頃には毎朝「気持ちが悪い」と言うようになり学校に行ける日がどんどん少なくなりました。

小学校高学年という「前思春期」とHSCの気質

朝、登校する前に「気持ちが悪い」「お腹が痛い」などと言うことが多く、そんなときは様子を見て遅刻したり休んだりしていました。しかし「今日はお休みします」という欠席連絡をすると、途端に回復していくのでさほど大きな病気などではないこともわかっていました。

また、学校では午前中の3時間目付近になるとめまいがして、立てなくなったり、転んだりする……ということもあり「起立性調節障害の可能性があるのでは」と学校の保健の先生から言われ、検査に行ったりもしました。脳神経外科でCTをとったり、血液検査、起立検査(OD検査)などもしたのですが、結果全て以上なし。最終的な診断は「ストレスとしか言えない、はっきりしませんね。学校で嫌なことはありませんか?」というお話でした。

学校で嫌なことがあるか……という質問に対し、息子の意見としては「そんなのありすぎる」という感じだったでしょう。

人間関係の複雑さ

小学校高学年にもなると、人間関係は複雑化します。息子の場合、4年生の序盤から「苦手な友達がいる」と言う話は聞いていたのですが、どうも「苦手な子に好かれてしまう」ということがストレスの大きな要因となっていたようです。

人間関係といっても、明白ないじめや嫌がらせではなく、先生から見ると「よくある男子たちのケンカ」であったり「仲がいいほどケンカする」という印象だったようなんですね。

しかし本人としては、仲がいいわけでもないし、他愛もないじゃれ合いなどではなく「苦手で、相性の合わない子にいつもちょっかいをかけられる。話したくない、関わりたくないと思っても、それを相手に伝えることはできないし、伝えたらまたケンカになって、自分も先生に責められてしまう」という悪循環に悩んでいたようでした。

4年生の冬頃から、だんだんと「〇〇君とケンカしてしまって……」という先生からの報告をもらうようになり、私も心配していました。しかし、ケンカの大きさや激しさが大きくなるたびに、先生が親への連絡を欠かさなくなるため「また親に心配をかける……」という息子の不安や後ろめたさは大きくなるようでした。一見「よくある子どものケンカ」の裏にも、かなり複雑な事情、HSCならではの悩みを見たような気がしています。

メタ認知能力の発達

小学校高学年から中学生にかけ「自分が他者から見てどう見えるか」というメタ認知能力が発達します。日本は同調意識の強い文化がありますから、このころから「みんなに合わせるべき」「自分だけ浮いているのは恥ずかしい」「自分の意見を言えない」「注目されるのは恥ずかしい」などの意識が芽生えてきます。

しかし、周囲の視線や集合意識を感じつつ、自分の意のままに言動できなくなることも増えていきます。たとえば、息子の場合はしたくもないケンカに発展してしまい、周囲に注目されてしまう。先生に叱られる。なりたくないのに、学級委員に推薦されてしまう。自分のダメなところや悪いところを自覚し始める。女子との関わり方に戸惑うなど。少し、精神の発達が早いというのもおそらくHSCならではなのかな、と感じるところがあります。

中学生くらいになると、このような「不安」「迷い」「多感さ」というのがあるものだと、周囲の大人も気づかい始めます。また、子ども同士でも気を遣い合えるようになったりします。でも、精神の発達が早い子ほど「自分の中の大人の部分」が出てくることに葛藤し、ストレスを抱えるのかもしれないと感じました。

ひとりになりたい・イライラする・人と接したくない

本人の中に、説明しきれないストレスが積み重なるうちに、だんだんと「人を遠ざける」ようになっていました。

「自分はただ、静かに平和に暮らしたいだけなのに、それができないんだ」と言います。ストレスが高まると、人が近くにくると自分が感情的になってしまいそうで怖かったそうです。イライラしていたのでしょうね。

学校に行けない場合にサポートを受けられる支援学級のことも、息子と話しました。そのときに彼が言ったのは「学校と、支援学級と、どっちが人が少ない?」と言ったのです。この子はこのままいくと、人が嫌いになるかもしれないし、人が怖くなってしまうかもしれないな、と私たち親は危機感を強めた瞬間でした。

学校ではときどき、ひとりになるために屋上に続く階段に座っていることがあったそうです。しかしその階段が工事のために、使用禁止になってしまいました。その後は、誰もいない予備教室のオルガンの中に隠れていることもあったそうです。

このことを担任の先生は「ひとりになることで、誰かの気を惹きたいのだろう」と思っていたようでした。学校の先生が悪いという批判ではありません。それくらいに、HSCの心の発達は早く、ひといちばい複雑な構図を抱えながら学校生活を送っているということです。

心は目に見えません。身体や顔つきがまだまだ幼くても、心の発達は人によって全然違うんですね。しかし、親からすると「うちの子は精神年齢が高いのです」なんてことは、先生にもやっぱり言えないことです。繊細な部分がある、ということは言いましたが「この子は全部わかっています」なんてことは、やっぱり言えませんでした。このときは改めて「子どものことは、家庭でしか守れない」と痛感しました。

HSCの原因不明の体調不良は「休養」で完全に回復

4年生の3学期前半は、学校に行けない日の方が多く、登校はほとんど私が付き添っていました。本人も「行けるなら、行きたい」という気持ちがあったようなんですね。もちろん、行くべきだから行かなくちゃという義務感もあったでしょう。

ただ、そのすぐあとにコロナウイルスの感染拡大防止による休校生活が始まり、長い長い休養生活が始まりました。

親としては、なんというタイミング……!なんて思ったのですが、毎日好きなことをして、自然の中で遊び、家族でご飯を囲み、兄弟で暴れまわり、適度に勉強も進める。そんな生活を2週間も続けたら、毎日悩まされた吐き気もすっかり治りました。

しかし、おそらくこのコロナ騒動がなければ私たち家族は「完全なる休養」をする勇気はなかったでしょう。先生も「〇〇君のペースで、来れるときに来てくださいね」という配慮をしてくださいましたが、私も夫も、そして本人も「行けるときは行ったほうがいい」と思っていましたからね。

それに本人は「学校に行けていない自分」に後ろめたさを感じていたようです。

ただ、本当になんの未練もなく「完全なる休養」という選択をするのは正直な話、とても難しかったです。とくに、コレといった明確な原因がなかったせいで私は「今日は行けそうかも?」なんて思いました。本人も「明日は行けるかな」と言ったりするんですね。

私たちは「ちゃんと休む」ということがどれほど難しく勇気のいることか、そしてどれほど有効で大切なのかということを学びました。

もしもご自身のお子さんがHSCではないか? という疑問や、原因のわからない体調不良、不登校の前触れなどに悩んでいる方の参考になればと思い、書かせていただきました。

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