子育て中の悩みの中にグイグイ食い込んでくる
「役員問題」
幼稚園や保育園から始まり、小学校のPTAや少年団などの習い事でも、何かとつきまとう「役員」。
私は今回、地域の子供会の役員を経験しました。
私が住んでいる場所は田舎なので、子供の数がとても少ない地域。
それなのに地域の風習や行事はしっかりとあるため、子供会の役員は結構大変な仕事です。
しかも、人手が足りないので小学校低学年でも役員が回ってきます、
これまでは1人につき1回が役員を務める原則でしたが、今後は2巡目も回ってくる可能性があるようです。
私は地元の人間ではないので、地域のことがまるで分らない人間でした。
みんなが言っている行事の名前も分からないことがあったし、地域での人脈もない。
それでも各組ごとに順番に役員が回ってくるので、正直孤独でした。
でも、役員をやり終えた結果、「嫌だったけど、頑張ってやって良かった。」と思っています。
今回は私のように、役員をやることに不安を抱えている方、自分に務まるのかと心配されているお母さんに向けてお話をしたいと思います。
子供会ってそもそも何?役員は何をするの?
子供会は、全国子ども連合会という社団法人が発足しているもの。
規模の差も大きく、中には子ども会のない地域もあるようです。(少子化も進んでいるため。)
子ども会の目的は、地域の中で交友を深め、全学年が分け隔てなく接する機会を設けることにあります。
地域での孤立化を防いだり、地域と密着して「自治会全体で子育てに取り組む」などという理念を抱えているところもあります。
子ども会の役員になると、地域の行事に子どもが参加する際のまとめ役を行ったり、レクリエーションの企画、奉仕活動などを率先してやることとなります。
役員の中からまとめ役となる会長や副会長を選出、会計や書記などを選ぶ自治体もあります。
選ぶ方法はその子ども会ごとに違うと思いますが、私の地域の場合はくじ引きでした。
私が子供会の役員として具体的にやったこと
- お祭りの露店
- おみこしの先導
- 古紙回収
- レクリエーション
- スポーツ大会の手伝い
- 地域の清掃活動
- 年始のどんど焼き
などなど。
それに加えて、毎月1回~2回の会合と、懇親会や打ち上げなどの飲み会もありました。
あくまでもこれは一例です。
私の住んでいる地域は地方であり、行事なども多い地域なので仕事が多いほうだと思います。
子どもの数が減り、活動をどんどん縮小している地域もあるため、もう少し少ない負担で活動できることも多いでしょう。
子供会の役員になったとき、何がつらかったか?
地域のことを何も知らない不安
最初に言ったように、私はこの地域で生まれ育ったわけではありません。
仕事の関係で転勤してきた方や、夫の実家に入った方など、地域のことを全然知らない中で自治会に参加しなければならないのは、ものすごく不安ですよね。
でも、周りは生まれも育ちも地元!というお母さんが結構多いんです。
「あ~あのママは同級生だから私話通しておくよ!」とか
「〇〇さんちは昨年まで自治会長だったからね~。」
なんていう、地元の話題に入っていけないのが結構つらかったです。
別に話に入れないのがさみしいんじゃないですよ。
地元民の会話が「何の話をしているのかが分からない」というレベルで分からないのです。
例えば、お祭りの話や自治会の役の話など。
役員の中に気軽に質問できるような間柄の人もいなかったので、とにかく周囲の様子をうかがいながら自分なりに情報収集するという時間が2~3ヵ月続きました。
でも、「せっかく会合開いているんだから、分からないことがあるなら質問しないと!」なんて言われたりもしました。
質問したい気持ちはもちろんありますが、まず何を質問したらいいのか分からないレベルの母親も多いってことは、今回の役員活動で強く感じたことです。
小さな下の子供を預けられない状況
私は兄弟が5歳差です。
上の子で子供会の役員が回ってきて、下の子はまだ2歳でした。
会合が開かれるのは平日の夜7時から。
夫が帰宅していないときは、会合に子供をつれて行くしかありません。
実家が近くにあって、毎回預けて会合や行事に出られる人も多く、子連れで会合に来る人は少数派でした。
そうなると、毎回2歳のやんちゃ盛りの男の子を連れて会合に行く私は、浮きます。
子供の集まりなんだから仕方ないって、私も頭では思っているんですが、やっぱり迷惑かけたらいけないとか、役員の仕事に支障が出たらまずいとか思ってしまうんですよね。
で、案外みんな子供に対して冷ややかだったりして…。
子供を連れての会合や行事は、本当にしんどかったです。
知らない人に連絡を取ったりまとめたりする仕事が不安
そして、子供会の役員は地域の人に直接アポを取って行事の出欠をとったりすることがありました。
集金に行ったり、行事ごとにお便りを配布し、出欠を確認してお便りを集めて提出したりしました。
現在では、LINEやメールなどで連絡を済ませる子ども会も増えているでしょう。
ただ、知らない相手や、自分よりも地域のことに詳しい人をまとめるというのは、けっこうやりにくさを感じていました。
中にはあまり協力的でない人や、連絡がつきにくい人などもいるので、人とのやり取りには神経を使います。
役員の中に癖のある人がいる場合
保護者が集まって行う役員活動では、メンバーが全てだと言われる面があります。
メンバーさえ良ければ比較的楽しく活動できるけど、その中に一人でも癖の強い人がいると大変なのです。
これは、どんな役員でも同じです。
みんなが協調性をもって話し合いや決め事ができればいいですが、そうできな人もいます。
主張しすぎる人や、協力姿勢のない人、やる気が極端にない人など……。
ボランティアなので仕方がないのですが、輪を乱すような人が一人でもいるとかなり大変な1年になるのではないでしょうか。
子ども会の役員、イヤイヤながらも頑張ってよかったこと!
不安なことや嫌なことはありましたが、やってよかったことが意外にも多かったです。
地域のことが一通り分かるようになった
あんなに何も知らなかった地域のことが、1年間で一通り分かるようになりました。
1年もやれば当たり前って思うかもしれませんが、役員だからこそ知れたことが多かったのです。
例えば…
- 組ごとの子供の人数や高齢者の割合
- 他の子どもの顔と名前
- 地域ごとの特色
- 行事について
- PTA役員について
などなど、普段の生活では入ってこないような情報がどんどん入ってきます。
どこの組はどれくらいの人数子供がいて、どんな人がいるということもだいたい分かるようになります。
例えば、ちょっと変わった人やクレーマーなどの要注意人物なども、話の中から情報として入ってきます。
普通に役員の中に入って話を聞いているだけで、その地域のことがほとんど分かるようになりました。
子ども会役員の中にはPTA幹部役員の経験者や、部長経験者なども多く、学校のことについても詳しく聞ける機会があり、ためになりましたよ。
顔が広くなった
こちらも当然のことですが、子供にも保護者にも顔が広くなりました。
もちろん深くお付き合いするような人には出会いませんでしたが、会ったら挨拶をする人や、軽く世間話をするような人は結構増えました。
学校でも顔見知りの数が増えますので、ちょっとした安心感も得られます。
また、周囲の役員さんも私や子供たちの顔を覚えてくれますので、全体的に地域に馴染めたような感覚も覚えています。
役員というものへのハードルが下がった
役員は子供会に限らず、1度経験すれば「役員って意外とできちゃうもんなんだな」ということが分かるようになります。
なので、ほかの役員に対してもあまり構えずにできるようになります。
子ども会だけでなく、この先学校の役員活動は続きます。
中学生になってもPTAがありますからね。
もちろん面倒かもしれませんが、役員が回ってくることを恐れなくなります。
役員をしていると、子供がうれしそう!
案外盲点なのですが、役員をしている母親を見て子供は喜んでいます。
近くで活動している姿を見たり、何かを仕切ったりまとめたりしている姿は子供に見せておくとよいのでは。
私はおみこしの先導をしていたとき、息子がずっと一緒についていました。
こういう姿を見ることは、地域の行事以外になかなかありませんよね。
古臭い組織制度だ、と思う人も多いと思いますが、子供からみると案外好評なのです。
うちの息子は、私の役員が終わると
「え~もう役員じゃないの?」と残念そうでしたよ。
子ども会の役員、未知だからこそ怖いのです。
子ども会に限らず、役員というものに対しての不安感が強い人、多いでしょう。
その理由は「知らないから」です。
知らないこと、未知の世界ほど怖いものはありません。
一度経験してしまえば、「役員になる前のあの不安感は何だったのか?」と思うほど、気持ちがスッキリします。
おそらく、これはPTAの役員なども同じです。
やる前は、右も左も分からず不安だから怖いのです。
だから、絶対大丈夫。
真面目にそれなりにやっていれば、批判されることもありません。
ぜひ自信をもって、子どもたちの活動の見守り係をつとめてみてください。
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